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ファウスト (Faust) は、1971年に結成されたドイツのロックバンドである。 4枚のアルバムを発表して解散したが、1980年代後半から再活動をしている。ドイツよりイギリスで高く評価されているバンドで、現代のノイズミュージックやインダストリアルミュージックの源流のひとつとみなされている。ファウストとは、ドイツ語で拳骨の意味。 == 概要 == ファウストの仕掛け人は、音楽ジャーナリストとしてキャリアのあったウーヴェ・ネテルベック(Uwe Nettelbeck)である。かれはファウストのプロデューサー・マネージャー・コンセプトデザイナー・作詞者として重要な役割を果たした。1971年、カンなどが人気を博し、クラウト・ロックへの投機的価値が高まっていた中、かれはドイツ・ポリドールとの契約において制作費込みで約30万マルクという破格の契約金を勝ち取った。そして6人の若いミュージシャンたちとともに北ドイツのヴュメの廃校にこもり、幾多のセッションを録音した。 同年秋、ファーストアルバム『ファウスト(Faust)』を発表。透明のプラスチックジャケットに拳骨のレントゲン写真をプリントし、透明のディスクを収めるという凝ったデザインを施したアルバムだったが(コンセプチュアル・アートとの関連を想起させる)、ドイツ国内で1000枚も売れなかったという。翌1972年、黒ずくめのジャケットに楽曲ごとのコンセプト・イラストを収めた2nd『ソー・ファー(So Far)』を出したが、これも商業的不成功に終わり、ポリドールとの契約は終了する。 その後、イギリスの新興プログレッシブ・ロック・レーベル、ヴァージン・レコードと契約、1973年に未発表曲を絶妙にコラージュしたアルバム『テープス(Tapes)』をシングル盤と同じ値段で発売した。これはイギリスのLPチャートのトップ10に入るヒットとなった。しかし、メンバーはこれはデモテープであり、作品として受け止めないでほしいと訴えていた。その後アメリカの実験映画作家でミニマリストのトニー・コンラッドとの共作アルバムを発表したのち、4th『IV』(1973年)を発表。このアルバムも商業的不成功に終わり、ヴァージンとの契約も終了、長い沈黙の期間に入る。しかしそのあいだもレコメンデッド・レコーズのサポートにより、細く長く作品を流通し続けた。 イギリスのカンタベリー・ミュージック・シーンとのつながり、とくにスラップ・ハッピーとの交流はよく知られている。沈黙中に幾多の「伝説」が流布されている。「最後のコンサートではメンバーがステージ上で卓球をしただけで終わった」というものもある(実際は「シンセに接続されたピンボール・マシンが曲に合わせてピコピコ・ピヨーンと演奏された」。『テープス』CDライナーより)。ただこうした「伝説」がそのミステリアスでユーモラスな音楽性とも合致し、彼らの神格化に寄与したことは否めない。 1990年代に入ってからの再活動は、ハンス・ヨアヒム・イルムラー(Hans Joachim Irmler オルガン)、ヴェルナー・ディーアマイアー(Werner Diermaier ドラムス)、ジャン・エルヴェ・プロン(Jean-Hervé Peron ベース)によって行われている。 2007年1月23日、ジャン・エルヴェ・プロンのウェブサイトで、ウーヴェ・ネテルベックが同年1月17日に逝去したことが伝えられた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ファウスト (バンド)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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